hide "POSE" zilch ver.


zilch 『3・2・1』収録 1998.7.23 Release 1. ELECTRIC CUCUMBER 2. INSIDE THE PERVERT MOUND 3. SOLD SOME ATTITUDE 4. SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN 5. SWAMPSNAKE 6. WHAT'S UP MR. JONES? 7. HEY MAN SO LONG 8. PSYCHE 9. FUCTRACK #6 10. DOUBT 11. POSE 12. EASY JESUS アルバム概要:96年より、hideが元プロフェッショナルズのレイ・マクヴェイ、元キリング・ジョークのポール・レイヴンとともに活動していたzilchのファースト・アルバム。 諸事情によってリリースが2年遅れてしまった作品である。hideのラップが聴ける「SOLID SOME ATTITUDE」やヘヴィなバラード「PSYCHE」、「DRAIN」のリメイクでありデイヴィッド・ボウイのことを歌った「WHAT'S UP MR. JONES?」、同じくセルフ・カヴァーの「DOUBT」、「POSE」など、インダストリアルな作風でありつつ、多様な面を聴かせるのは、さすがhide。 なお、「INSIDE THE PERVERT MOUND」は、「Ja, Zoo」収録の「LEATHER FACE」の原曲で、「EASY JESUS」はソロの「Squeeze IT‼︎」のセルフ・カヴァーだ。(hide-book引用) ようこそhideが作り上げたサウンドの遊園地へ 〜hide流作曲技法の極意を伝授‼︎〜 Squeeze IT!! [Back Stage Version]概要欄より続き /> ◆最初から最後まで、ちゃんと聴けるアルバムが欲しかった 一曲調はポップだけど、オールド・テイスト(直訳すると“古い味”。ここでは昔の感じという意味である)も感じられたな。 hide:うん、メロディ主体で作ったから全体に既知感が流れているんだと思う。そのメロディも既知感あるものをって思っていたから。だから斬新というよりか、既知感を感じるはず。ただ、それも年代によるかな。年齢が近いから、そう感じてもらえたのかもしれないし。ただ既知感にしても、モロに何っていうんじゃダメなのね。メロディは自分が聴いてきた音楽が影響してくるじゃない?だから、悪く言っちゃえば鼻歌。自分の中からストレートに出て来ちゃうもの、ギター弾きながら勝手に歌っちゃうメロディ、それを大事にして作っていったかな。あんまり深く考えて作るものは、けっきょく“よくねぇ、ロックじゃねぇんだよ”って思ってたからね。そうすると“ストレートにポンと出てきたものがいいんだ”って。 一前作『HIDE YOUR FACE』を作ってから2年半になるけど、その間、よく聴いていた音楽は? hide:アルバムとして聴いてたのは、あんまりないんだよね。ゼペット・ストアぐらい。ストーン・テンプル・パイロッツもよかったなぁ。1曲だけいいなって思うのはいっぱいあるんだけど、アルバムとして聴けるものってないな。だから、“どうしてこういうアルバムを作ってくれないのかな?”っていうのは、自分で作るしかないなって。そうすると『PSYENCE』のようなアルバムになる(笑)。最初から最後まで、ちゃんと聴けるアルバムが欲しかったんだよ。 一以前よりもグチャグチャになった感じはしたけど(笑)。 hide:そうかな......、そうだね(笑)。みょうにすっきりしないようにっていうのはあったかもしれない。1曲ごとのクオリティや自信はすごくあったから、アルバムとしてまとめる時は、バーッと聴けて、後で“何が起こっていたんだ⁉︎”って思えるぐらいのスピード感とアシッド感が欲しかったのね。だから、曲間は極端に短くしている。 一今回、ギターエフェクトをかなり使い分けているでしょ? hide:ギターは基本的にはフェルナンデスのレモン・ドロップのMG、自分の58年のギブソン/レスポール、フェンダーのジェフ・ベック・モデル、向こうの友だちに借りたグレッチ。生ギターは自分のマーチン、友だちから借りた名もないドイツの12弦。アンプは、ベースは基本的にスピーカーは使わなかったのね。ライン直(マイクで音を拾わずに、ラインでミキサー卓などに直接入力してしまうこと)とサンズ・アンプをとおしたのをミックスした。たまにエングルのヘッドから卓へとおしたり。あと恐かったのはベースでトーク・ボックス(エフェクターの一種。パイプを口にくわえて、話すように口を動かすことにより、ギターのサウンドを変化させるエフェクター)を使ったこと(笑)。「ERASE」でやったんだけど、頭がふっ飛びそうになったよ(笑)。ティンパニ(オーケストラで使用する打楽器の一種)でドゥ〜ンとやったようなニュアンスの音が欲しかったんだ。でも、死にそうだった(笑)。あと、ギター・アンプは、ハードな曲はスタジオの中でスピーカーを使って録ったんだよね。でも、スゴい使い方したんだよ。マッチレスとマーシャル、サンズ・アンプのラック・タイプ、ソルダーノ、メサ・ブギー、その5台のヘッドをいっぺんに鳴らして。それをスピーカー・シュミレーター(スピーカーの箱鳴りを機械的に再現するエフェクター)を応用して作ったパラ・ボックス(ひとつの音の信号を複数(並列で)に分配する装置)をとおして、マーシャルとソルダーノとハイワットとか4台のスピーカー・キャビネットに振り分けて、これまたいっぺんに鳴らしたら。もう強力、殺人的、すさまじい箱鳴り。 一いろんなトーンが出てくるけど、それはアンプのミックスぐあいで変えているの? hide:「POSE」と「DAMAGE」と「Hi-Ho」がそう。「ERASE」も似ているけど、使ったのはデジテックとエングルとサンズ・アンプ。それをパラ・ボックスで分けて、左チャンネルと右チャンネルからモノラル、真ん中からステレオで出してる。左がオールド目の音、真ん中をチャー(本名:竹中尚人。ピンククラウドなどの活動でも知られる。日本を代表する有名なギタリスト)みたいな7thのコードがきれいに出る音。右がサンズ・アンプでゴキゴキの音にしてる。それがいっせいに混ざると、すごくいいコード感が出るんだよね。 一オールドのコンパクト・タイプ・エフェクターを駆使してると思ったけど? hide:あっ、それもめちゃくちゃ使ってるよ。わりとファズ(歪み系エフェクターの一種)系のエフェクターが多いよね。でも、ヴォーカルにはディストーションは、あまり使ってない。どれも似た感じになっちゃうからね。混ぜているのもあるけど、「DAMAGE」は自分のノドで歪ませてる。ディストーションは使わずに、生声をわざとオーバーロード(限界以上に音や信号を流すこと)させて歪ませていて、そのほうが抑揚が出るんだよね。ナチュラルに歌っている時は生声で、がなると歪むからね。 Rockin'f 96年10月号 ヒデ=スーパー・ロング・インタヴュー